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まちづくりのホームドクター 〜健康・医療・福祉のみちづくり・まちづくり〜
わが国の人口と経済は戦後の驚異的な成長によって、世界第二位のGDP国となりました。それを支えたのは、増大・拡大する人口と産業・経済に対応するための市街地や社会資本整備であり、それを実践してきたのがこれまでの都市計画・都市づくりであったと言えます。
しかし、これまで一貫して増加してきたわが国の人口は、急激な少子高齢化によって2005年をピークにこれまで経験したことのない減少へと転換しています。1950(昭和25)年の国民の平均年齢は26.6歳であったものが、2005年には41.6歳に、そして2055年には55.0歳と世界に例をみない超高齢社会へ、今後のわが国の社会構造は大きく変化します。このことはまた、経済や産業構造にも大きな変化をもたらすことでしょう。
高齢化は通院者や障害者の増加を伴い、移動制約者と医療・介護・福祉費の増大を招来します。長寿命化により社会参加が長期間にわたり困難となる方々が増え、社会の活力は減退します。このような事態に陥ることを未然に防ぐため、都市づくりの理念として、これまでの人口増加や経済成長のための都市づくりから、今後の超高齢社会に向けて健やかで豊かな人生を過ごせるクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を可能とする「健康・医療・福祉のみちづくり・まちづくり」へのパラダイムシフトが必要です。
それは、これまでの機能的な都市活動の確保を目的とした都市整備から、今後の超高齢社会に対応するため、長くなった人生の後半生を人としてその存在を維持・回復できるように、健康・医療・福祉を主たる都市機能として充実すること、と考えます。このことによって、自立及び支援による歩行を中心とした移動と社会参加を可能とし、疾病や加齢によって社会的不利や社会参加を困難にする負の連鎖・循環を緩和・阻止して、誰でも生き生きと暮らせる人生を可能とするライフ・イノベーション(命の革新)を推進することができます。
また、かつてわが国では地域固有の風習、祭り、地縁、互助等の豊かで濃密なコミュニティが存在していましたが、急激な都市化に伴ってこれらは希薄化してしまいました。上記の都市づくりのパラダイムシフトやライフ・イノベーションを実践していくためには、ハード(施設整備)のみでは不可能であり、人、地域、企業、NPO等が支える社会価値観やコミュニティのソフト施策が不可欠です。コミュニティは地域社会の信頼、安心を形成するソーシャル・キャピタルとしてきわめて重要です。
以上の観点から、超高齢社会に向けた都市づくりとして、IDECでは「健康・医療・福祉のみちづくり・まちづくり」のあり方に関する業務に取り組んでいます。





